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お客さんとお店の距離を縮めるおサイフケータイ
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- 今後、おサイフケータイがさらに社会に浸透するためには、どのような努力が必要だとお考えですか。
いまは、ポイントなどのメリットがまだ限られています。女性がポイントカードをたくさんしまった膨らんだおサイフを持ち歩いているのは、メリットがあるからでしょう。おサイフケータイの利用者はまだ新しもの好きな男性のほうが多いのですが、裾野を広げていくキーはやはり女性ですし、女性に安心して使っていただくためにはもっと分かりやすいメリットを増やさなくてはいけないと思います。
また同時にユーザー側だけではなく、お店側のメリットが見えてこないといけないと思っています。単純に決済に使えるというだけでは、導入にコストがかかるだけで、お店の売上げ、来店頻度向上などに貢献できないからです。
お店側のメリットを開拓する新しい試みが、「e-マーケティング」だと思っています。「トルカ」という、おサイフケータイ用の電子カード・クーポン券サービスがあります。たとえばおサイフケータイで決済すると同時にポイントが貯まり、お客さまはクーポンがもらえる仕組みです。
さらにお客さんの承諾がもらえれば、必要な情報をメールで配信して、お客さまの接点を増やし、顧客の囲い込みや来店誘導に活用することもできます。このようなお店側にとってのメリットは、お客さまにとってもプラスになりますし、「ケータイ」の電話(通信)の機能が生かされるわけです。
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- 最後に、ネットバンキングの将来についてご意見をおきかせください。
銀行のサービスの中では、もはや電子マネーっていうのは現金に近いと思います。通常のサービスのひとつとして、今回の「Edyチャージ」のようなチャージ・サービスや、ポイントとの連携という形で広がっていく可能性は高いと思っています。
電子マネーとネットバンキングが同じ課題を抱えていると思うのは、登録という最初の壁ですね。そこを一度超えてしまえば後は簡単なことなのですが。ですから「Edy」というリアルからネットバンキングに入って、ああ、こういうことも簡単にできるんだと実感されるかたが増えればいいなと思います。
ネットバンキング、特にモバイルバンキングの将来として、いま振り込みたいとか、どこでも使いたいということでは、いろいろな可能性があると思います。特に私は出歩くことが大変になってきたお年寄りが、簡単に、安心に使えるようなものとして広がっていけばいいなと思っています。たとえばケータイに、ご自分が使われる振り込み先として息子さんと娘さんぐらいを設定しておいて、後は、振り込むためのセキュリティレベルを高く設定できれば、振り込みに関するトラブルもかなり防止できるのではないでしょうか。誰にでも使いやすく、いつでもどこでも安心安全な環境を提供できることが大切になってきます。
おサイフケータイも、地方のスーパーなどではお年寄りの方に利用者がだいぶ広がっているんです。どうしてですかとたずねると、「小銭を出さなくていい」「だまっていてもポイントがたまる」ということが、魅力的なようです。特に小銭は、細かいお金を数えるのが面倒になってくると、とてもありがたいというんですね。ここでも、誰にでも使いやすい安心安全な環境の提供が求められるわけです。そういう意味ではモバイルバンキングとおサイフケータイは似た部分があると思いますし、若い人や新しいサービスが好きな人のためだけのものでもないのです。朝起きて、仕事をしたり遊んだり、家に帰ってからまで、一日の暮らしの身近なお金のやりとりで便利に使っていただける、そんなサービスを共に目指していきたいと思っています。

坂口昌平(さかぐち しょうへい)
<正式役職名>
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部EC戦略サービス担当部長
<略歴>
1980年 北海道大学経済学部卒業
同年4月 日本電信電話公社入社
1988年 郵政省出向
1992年 NTT移動通信網株式会社に転籍
その後、経営企画部担当課長、営業部顧客サービス担当部長、人事育成部担当部長、株式会社NTTドコモ北海道代理店営業部長を歴任
平成16年 7月から現職
インタビュー後記
実は取材するまで、「おサイフケータイ」は単にお金に関する機能を持つ携帯電話と決めつけていました。しかし、「おサイフのなかに入っているものすべてをいれる」という概念の広さに、びっくりしました。
たとえば、わたしのサイフのなかには、クレジットカードや会員証、ポイントカードが数枚ずつ、レシート少々とわずかな現金が入っています。これらすべてを受け入れる「器」を提供するなんて、想像するだけで度胸がいります。
また、電子マネーの利用対象として、むしろ高齢者を意識するのも、「通信」というインフラ機能を提供している会社ならでのユニーバーサルな文化を感じました。
「小銭を持ち歩かない」というシンプルな利点から電子マネーをはじめてみてもいいかもしれません。
- 毎日持ち歩いているものを、すべてケータイへ
- 通信の枠を超えて、リアルな世界へと踏み出す
- 2007年、コンビニが少額クレジットの発火点に
- ケータイだからこそできる、高いセキュリティ機能
- お客さんとお店の距離を縮めるおサイフケータイ


