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ソニーバンクでは、6月23日より、従来の米ドル、ユーロに加えて英ポンド、豪ドル、およびカナダドルの外貨預金のお取り扱いを開始すると同時に、対米ドルでの外貨のお取り引きも可能となりました。
外貨預金の利用にあたって、お客さまから為替レートに高い関心を寄せられることもあり、今回はその為替レートと密接な関わり合いのある景気動向について、エコノミストの嶋中先生にお話を伺いました。
(インタビューは6月4日に行われたものです。)
油断してしまった日本経済
今回のインタビューが決まって、あわてて2000年5月に東洋経済新報社より上梓された「日本経済の油断」を読ませていただいたのですが、「これは、当たってる。」という感がありまして。(笑)
ありがとうございます。(笑)
同書では、米国経済を中心としたグローバル経済について、バブルでないか、と警鐘を鳴らすと同時に日本経済に対して、危機管理を呼びかけられていました。残念ながらそれから3年が経過して、うまく危機管理ができたというよりも、特に日本の景気は回復からは程遠いように見受けられるのですが。
あのころは、まだitバブルは崩壊しておらず、中長期的なit革命というのがアメリカを中心に、もちろん日本でも根付いていくから、日本経済が根底から構造が変わって、体質が強くなるのだということを言っている人が多かったですね。
そうでした。
私は景気循環論、簡単に言えば「ある周期性を持って、上がったものは下がる」という立場をとっています。当時は、アメリカの株式市場はハイテク株を中心に、10年間も継続して異常に上がっていました。実は、1920年代と1960年代にも似たようなことがありましたが、これらのそれ以降は芳しくない結果だった。だから、今回もかなり厳しい道が後に控えているなと。やはり警鐘を鳴らさなければいけないなと思っていました。
循環する景気
そしてやはり上がったものが下がってしまったわけですね。その景気循環論について、もう少しお話いただけますでしょうか。
循環というのもいろいろありまして、私は「複合循環論」を中心に据えています。これは循環には大きいサイクルのものから小さいものまであって、それが同時に存在するという考え方になります。一番長いのは50〜60年くらいの長期波動で、主に物価の変動となってあらわれるのですが、今は世界的にデフレになっていて、この長期波動の下降局面にあるといえるでしょう。2000年も既に下降局面に突入していましたが、往々にして、バブルは長期波動の下降局面の初期段階を過ぎようとしているときに育って、そこで破裂します。
それはどうしてなのでしょうか。
まず初期においてはディスインフレ、つまり高い率で上昇していた物価が、だんだんと減速してきます。それにともなって、高金利から低金利へと移行していく段階になるわけです。そうした中では投機的な力が育ちやすい。経済自身は非常に調子が良くて、何か新規な産業や発展しやすいビジネスに目をつけて、そこに投機的なお金が入りやすくなるのです。
それがかつては不動産でしたが、今回はitだったということですね。
そうです。ところがある程度育つとそれが破裂する。これが既に起こりつつあったディスインフレが、デフレへ向かうきっかけになるわけです。そのような状況が非常に長い期間続くわけで、今回の長期波動は、1980年前後にひとつのピークがあったと見ています。そこから10年はむしろ平穏な時代が過ぎて、日本のほうで1980年代にバブルが発生して90年代は「失われた10年」になってしまいました。一方で、アメリカは、日本に10年遅れてバブルが発生して、ピークアウトしたというわけです。
過去にも同じようなケースがあったのでしょうか。
1920〜30年代にもありまして、そのときもアメリカが日本より後にバブル化しましたね。第一次世界大戦による戦争景気もあって、1920年くらいまでは日本が先行して、非常に盛り上がっていました。ところが1920年代に入ってインフレが収束して、だんだん日本は下向きになった。一方、アメリカは1920年代を通じて上昇して、30年代に落ち込んだわけです。
一橋大学名誉教授で、景気循環学会名誉会長の篠原三代平先生は「バブルは長波の属性である」と考えを提示されているんですが、まさにこういう状況だと思いますね。

- 市場を読む 嶋中雄二氏インタビュー(1)
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