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- ※「UAMマルチ・マネージャー・ファンド1(愛称:フルーツ王国)」のファンド名は社名変更に伴い「ユナイテッド・マルチ・マネージャー・ファンド1(愛称:フルーツ王国)」へ変更されております。
「24時間体制」とリスク許容度の関係
24時間体制で運用されているということですが、具体的にはどんな風になさっているんですか?
そもそも「フルーツ王国」はリスク許容度(※2)がかなり低いんです。リスクは年率4%を目指しています。一般の人にどこまで理解してもらえるか分からないけれど、これはすごく低いんですよ。
ものすごく低いですよね。「4%」というのは。
どこまでリスクを許容するかということで言えば、安全資産といわれる債券でさえ普通に運用していたら4%くらいのリスクは取ります。ですから、20%以上のリスクのある内外株式を含むポートフォリオを放っておいたら4%にリスクを抑えるのはまず不可能です。マーケットではいつ何が起きるかわかりませんから。「24時間体制」というのはずっと何かを動かしているというよりは、24時間ずっとマーケットをウォッチしているということです。いつ何が起こるか分からないことを担保するために、24時間体制を作っているといえます。その結果、目標である4%をさらに下回る3%程度という低いレベルに抑えることができています。
体制としては、中尾さん中心にチームで運用していらっしゃるのですか?
日本だけでフロントが9名、そのうちファンドマネージャーが7名います。株なら株、債券なら債券といった具合にそれぞれ担当者がいます。担当者はそれぞれの資産クラスごとに全部いますが、各々が補完できる関係にあります。その他に、直接・間接的に米欧の多くのファンドマネージャーが関わっています。全体のコントロールは、私が集中的に行っています。

それはなぜですか?
過去の経験や理屈だけで現実は動かないからです。たとえば、株と債券は負の相関があるといわれていますから、普通なら株が下がったら債券が上がる。しかし、現実にはそうではないことも起こります。こうした一般的な理解と現実の世界にギャップが生じる場合、いかなるときにも対処できるような体制を敷いて、それに対していかに対処し、全体にコントロールをきかせていくか。そして、実際に手を打っていく。その意味では、運用体制もこのファンドの特徴と言えると思います。
「何が要因で基準価額は動くのか」 ― ディスクロージャーの重要性
個人のお客さまが多いとうかがっていますが。
もともと預金者を想定していました。つまり、リスクをあまり取れないお客さんです。しかし、リスクを取らないと基本的にリターンはない。そこで、運用会社の能力で何とかリターンを出していけないか、というとことから始まりました。リスクをできるだけ抑えながら、ある程度リターンを狙っていく。しかも相場環境に左右されない。「そんなことできないよ」というのが普通の答えなんだけれども、そう言ってしまったらこのファンドはないわけです。それを達成するためにいろんなことをやっています。24時間体制で運用するなどものすごくコストと労力がかかっていますし、私だけでなく日米欧で大変多くのファンドマネージャーが関わっているのがこのファンドです。
とても手間隙がかかっているファンドだと。フルーツというか、有機栽培の野菜のようですね。
リスク許容度によって全然やり方が変わってくるんですよ。ファンドがターゲットとしているお客さんはもともとは預金者ですが、預金並みのリスク・コントロールは不可能です。だから、なるべくリスクを抑えながら預金以上のリターンを狙っていこうとやっていますが、難しいのは今のような状況です。全てのマーケットがイラク情勢に一喜一憂して、ファンダメンタルズを完全に無視してしまうというようなことが現実問題として起きるんです。
そのあたりが今の環境で運用することの難しさでしょうか。
日々の価格のブレを完全にコントロールするのは難しいですね。一日っていう単位で見られると、ちょっと辛いものがあります。世の中の変化やリスクには対応していても、技術的な部分では基準価額が下がってしまう要因にもなる。たとえば、マザーファンドという現物株式のα(※3)を狙っている部分がありますが、投資のタイムスパンが長いので、世の中がガラッと変わったときなかなかついていかない。また、全体的にベア・トレンドというかダウン・トレンドになっているマーケットで、きゅんっと先物が上がるときは非常に難しい。特に、このファンドは現物で買ったものに対して先物でヘッジをしています。先物のほうが現物よりはボラティリティが高いので、上がるときは先物の方が極端に価格が上がるケースがあります。このとき、現物と比較して先物が上がることによって基準価額が下がってしまうというようなことが起きます。

先ほどおっしゃられた日々の価格のブレが起こるわけですね。
そうです。普通のファンドは手の打ちようがないところを、このファンドでは手を打っていますが、つくづく思うのは、なるべく「何が要因で、基準価額が動いているのか」ということを知ってほしいということです。そういう意味では、インターネットでディスクローズするのは、我々にとってはやりやすいですね。お客さんの安心感にもつながると思うんですよね。
ディスクローズは充実させていきたいとお考えですか。
そうですね。本当の意味で理解してもらって、やっていきたいなと思っています。
- ※2 リスク許容度
資産運用における「リスク」とは、株価や債券価格等の将来における不確実さや価格変動の可能性、つまりバラツキの程度をいいます。そこで、バラツキの尺度として標準偏差(年率)が利用されます。リスク許容度とは、そのリスクをどこまで受け入れられるかを示すバロメーターのようなもので、投資目的、投資知識や投資経験、投資期間などによって変わってきます。 - ※3 現物株式のα
ベンチマークを上回る期待収益率のこと。たとえば、TOPIXがベンチマークの場合、TOPIXを越えたリターンの部分がα。
- ファンドマネージャー・インタビュー 中尾英志氏(1)
- ファンドマネージャー・インタビュー 中尾英志氏(2)
- ファンドマネージャー・インタビュー 中尾英志氏(3)
- ファンドマネージャー・インタビュー 中尾英志氏(4)

