MONEYKitトップ > from MONEYKit > スペシャルインタビュー > ファイナンシャルプランナー・深野康彦さんにきく「格差の時代」を勝ち抜く資産運用 > “知恵”の格差が作る「見えない勝ち組」
ますます加速化する「貯蓄から投資へ」という流れの中で、金融商品や運用の知識は私たちの資産形成にとって欠かせないものになっています。一方で、新しい金融商品が次々と登場し、本当に自分に合った金融商品を選ぶことは、一般の投資家の手には余るようになっているのも現実です。「格差時代の到来」といわれた2006年から、さらにインフレの兆しも見え始めた2007年へ。私たちの資産運用はどう変わっていくべきなのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんに「格差の時代」を勝ち抜くヒントと、2007年の金融の動きをうかがいました。
“知恵”の格差が作る「見えない勝ち組」
2006年は「格差の拡大」が社会問題になりました。「一億総中流」といわれたかつての日本人の意識はすでに大きく変化していると思いますが、2007年は「格差」がさらに広がっていく年になるのでしょうか。

誤解を恐れずに言えば、格差なんて、いつの時代にもありますよね。なかでも生活に影響が大きいのは「収入」の格差ですが、これだって昔からありました。そこでいま、私が皆さんに気づいてほしいのは「資産」の格差です。これは「知恵」の格差とも言い換えられると思いますが、時間が経つほどにその差は目に見えるカタチとなって、2007年、2008年と時間の経過と共に大きく開いていくと思います。
格差の厳しさという意味では、昔のほうが大変だったはずです。本当に食べていけずに、餓死する人もいたわけですから。三度三度ご飯が食べられる生活をするという共通の目標があったから、みんな頑張って働いたんですね。でも、今は生活のベースとなる衣食住の水準がかなり豊かになり、食べていくだけならなんとかなる環境にあります。それでももっと上の生活を目指して、リスクを背負って起業したり人並み以上に頭を使っている人と、そうでない人がいれば、格差が生まれるのはある意味で当たり前です。
それに収入の格差といっても、実は世の中には、ルールに従ってちゃんと税金を払っているけれど、国の統計からこぼれ落ちている資産がたくさんあるんです。たとえば株式の配当金や投資信託の分配金などは、現在10%の源泉徴収扱いで課税関係は済ませられます。こういった源泉徴収扱いの金融商品の収益は、国はまったく把握していないのです。つまり統計上は「負け組」とされている中に、「勝ち組」はいくらでもいるということです。
そういう「見えない勝ち組」の人たちは、何か特別な裏技を使ったわけではないわけですね。それが深野さんのおっしゃる“知恵”ということでしょうか。
それについてひとつ例を挙げると、これから団塊世代がリタイアすると、年金は夫婦でだいたい23、4万円、年収で300万円弱です。厳しい言い方をすれば弱者ですよね。でも、その人が3,000万円の資産を持っていて、全額を毎月分配型の投資信託につぎ込んだとしましょう。純資産残高の上位にある、毎月分配型の人気ファンドの中には現在6%近い高利回りの分配金を出し続けている商品もあります。
利回りを5.0%と仮定しますと、税金のことはひとまずおき、毎年150万円のお金が入ってくる計算になります。となると年金と足して年収は約450万円。ひと月に使えるお金は36万円ぐらいになり、これはいまの高齢者の方たちが「豊かな老後を送れるお金」と考えている金額とほぼイコールなんですよ。
これは現実離れした話ですし、そもそも投資信託は元本が保証されていない金融商品です。でも、こんな考え方もしてみてください。5.0%の利回りが10年続けば10年間のリターンは50%。元本が50%目減りしてもとんとんです。元本が35%毀損された場合は15%。年換算で1.5%となり、10年国債とほぼ同じリターンです。もし元本の目減りが25%に抑えられたらリターンは25%になり、10年国債よりよっぽど有利だったということになります。数字のお遊びといえばそれまでですが、そういう発想ができるのが、今の勝ち組。金融商品の概要を漠然と知っているだけではなく、何が本当のポイントかを知り、ほかの金融商品と賢く比較できる。そんな知恵を身につけている人が、これからの「見えない勝ち組」になれると思います。
- “知恵”の格差が作る「見えない勝ち組」
- 「自分の時間のコントロール」も運用の知恵
- 資産のバランスのとり方にも時期がある
- 深く静かに進行するインフレに備えよ
- 資産運用の格差は時と共に広がるもの

