MONEYKitトップ > from MONEYKit > スペシャルインタビュー > ポッドキャスティング・インタビュー「フィスコ・ニューヨークレポート」片山氏編 勝負はマーケットが開く前の情報戦

ニューヨークから東京へ、市場の熱気と世界の投資家の注目がスライドする日本の早朝。
「フィスコ・ニューヨークレポート」は、ニューヨークその日一日のマーケット情報を現地から音声で配信する、「from MONEYKit ポッドキャスティング」の人気コンテンツです。レポートの作成者であるニューヨーク在住のアナリスト、株式会社フィスコの片山善博氏に、情報収集と分析の裏側や、金融の中心ニューヨークでの生活についてお話しいただきました。
勝負はマーケットが開く前の情報戦
まずは、一日の動きを教えてください。
出社はだいたい朝7時半前、まず取り掛かるのは東京市場のチェックです。東京の為替チームが作成したレポートを一通り読んで、その日のマーケットで何が起こったかを把握します。また、個人的に日本の株式動向も気になりますので、当社で出している市況などの株式関連ニュースをチェックするほか、市場以外で話題となっている出来事をみるために日本の主要新聞社やヤフージャパンなどのウェブサイトの主立ったニュースなどもいつも確認していますね。
それらが終わったら、その日で相場が動くだろうと思われる材料を探します。経済指標や政府要人の講演などのスケジュール確認がそれに当たります。アメリカの経済指標は全体の約1/3が朝方の早い段階に発表されますので、発表時間前に数値の強弱を判断するために事前の市場予想などを確認します。また、為替相場に影響を与える要因として、国境を越える形で行われる企業の買収合併のニュースや原油価格の動向なども注意してみています。原油相場は、朝方の時間外取引からかなり動くことがありますので、ユーロや円への影響もおさえながらチェックします。以上が朝のざっとした流れとなります。
当日の相場材料となるニュースのチェックが終わった後は、オープニングコメントの作成に入ります。コメント担当では、私が株式、もうひとりの平松という「ニューヨーク・レポート」のアナウンスも担当している女性が為替を担当しています。ニューヨークでの仕事は、支局の立ち上げから3年目に突入しましたが、ここ2年は私たち2人で全て行っています。
私たちの仕事は、市場の寄り付き前に何が起こったかというのを調べることで7割方は決まります。これは日本のマーケットも同じですね。なお、東京での日本株調査では、朝方の新聞での企業動向や決算のチェック、証券会社レーティングの確認、市場参加者間で話題となっているニュースを拾うことなどを重点的に行っていました。その後、マーケットの動きに応じてコメントを書いたり、為替に動きがなければ気になる市場や他の値動きのある市場をレポートするようにしています。
それだけの仕事を、時間の制約があるなかでお二人でやっていらっしゃるのは大変ですね。
自分にとっては、米国マーケット全般を見させてもらっているおかげで、株式だけ、債券だけ、あるいは商品相場だけを見ているかたよりも多くの側面から市場をとらえ、値動きの背景が分かるというメリットがあると思っています。情報を求めているかたたちは、マーケットが「どう動いたか」だけではなくて、「なぜ動いたか」を知りたいはずですから、自分が調べて、組み立てた相場の流れを出来る限り過不足なく伝えられるように心掛けています。マーケットの難しいところですが、「これが影響して動いている」とわかった途端に、まったく逆の方向に動くときがあります。明らかに“これだ”と考えられる要因だけで相場が動いているわけではないため、どうしてもそれらを把握するには時間がかかってしまい、忙しくなるのはしかたないですね。
市場が終えた後は、その日のニューヨーク市場で起こったことを東京のお客さまや自分たちのチームに伝えるという、まとめの作業に入ります。その中での一つが、ポッドキャスティングの「フィスコ・ニューヨークレポート」になります。 とにかく、1日とはいえ、マーケットで流れる情報は膨大な量になります。このため、次の東京市場でも影響を与えると思われる「鍵」となる情報を正確に、もれなく、そして早く伝えることを考えて行動しています。また、話題に上がった情報というのは、既に多くのかたが見ている可能性が高いため、それ以外の部分、自分たちの情報網でどれだけプラスアルファを提供できるかということも考えていますね。
- 勝負はマーケットが開く前の情報戦
- 市場参加者の多さがダイナミックな動きを生む
- 情報価値を高める、「説明」と「分りやすさ」
- 情報の命は新鮮度、それは不変です
- プロは目に見える数字の裏を見ている

