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スペシャルインタビュー
アナリスト・インタビュー 山下政比呂氏

山下政比呂氏

外国為替の世界では「東京が引けた」「ニューヨークが開いた」といった言葉が飛び交います。しかし、外国為替市場には証券取引所のような特定の取引場所はなく、すべての取引が売買の当事者間で電話や電信などで行われる相対マーケットで成立しています。「市場」という言葉が指し示すのが取引全体を示す抽象的な枠組みであることが、ビギナーのかたの理解を妨げる一因になっているかもしれません。

そこで、この「市場関係者に訊く」では、外国為替市場の現場やその周辺で活躍するさまざまなプロフェッショナルの皆さんをクローズアップし、「外国為替市場とは何か」を多面的にご紹介していきます。第1回は10月25日にサービスを開始した「外国為替マーケットレポート」をご提供いただいている金融市場調査機関、株式会社フィスコのリサーチマネージャー(為替担当)の山下政比呂氏にお話をうかがいました。
(インタビューは2004年10月5日に行われたものです)

  • ※なお、以下のインタビューのなかでは、米ドルをドルと表記しています。

値動きの背後にある思惑を探る臨場感あるニュースを配信

まず、一日の業務の流れから教えてください。

弊社はニューヨークの駐在員を含めてレポーティング体制を構築しています。そのため、私はニューヨークの午後5時にあたる東京の午前6時過ぎに出社します。そして、ニューヨークのスタッフから引継ぎをしながら、深夜の間ニューヨークからリアルタイムで配信されていた情報を編集して、概況としてまとめるのが朝一番の重要な業務になります。具体的には、ドル・円がどういう値動きをして、誰が何を話し、市場はどう反応したか、といった内容ですね。さらにドル、ユーロなど外貨を円ベースでテクニカル分析をしまして、東京市場の今日の見通しを書きます。このふたつがレポートのメインの内容です。レポートはお客さまが東京市場に向けてスタンバイする前に配信しなくてはいけませんし、情報があちこちに出回った後では商品価値はありません。スピードが非常に重要です。

山下政比呂氏の1日のスケジュール

山下政比呂氏の1日のスケジュール

情報収集に関して、ニューヨークのスタッフにはどのような指示をされているのでしょう。

一番求めるのは手口()ですね。このファンドがこういうことをやっているとか、あるニュースによってヘッジファンドがどう動いたといったような、値動きの背後でどういった人々が売り買いしていたかということを探れるネットワークを広げるようにと指示しています。一般的なニュースはメディアが伝えますし、指標や要人発言も時間がたてば誰もが分かるわけですから。

これは東京市場でも同じでして、機関投資家の動きなどに一歩踏み込んだ、臨場感溢れるレポートをすることがお客さまから求められます。ただし、レポートで記述する場合、現在は「大手証券会社」や「大手金融機関」といっても数が限られていますから、情報ソースが明らかになりやすくなっています。情報のソースの扱いには以前よりも慎重さが求められます。

  • ※手口 … 金融機関や事業法人などの売買に関する情報。外国為替市場は株式市場と違って取引所がないため、一般的に情報の入手は困難です。

各クライアントに同じレポートが配信されるわけですか。

いいえ。必要とされている情報がお客さまごとに違います。「詳しいレポートがほしい」ですとか「簡単に内容を要約して一枚紙にしてほしい」といったような各社さんの要望に合わせて情報をテーラーメイドして発信しています。情報のスーパーマーケットみたいな感じですね。ソニー銀行さんの場合でしたら、扱われている通貨が6つありますから、それらをカバーしたレポートを作成しています。

御社ではマイナー通貨の情報についてどのように収集されているのでしょう。

オーストラリアの銀行とカナダの銀行に勤務経験があるスタッフがいまして、彼の人的なネットワークが最も活用されています。私は米系の銀行にしかいませんでしたが、やはりそういった経験や個人のネットワークがないと、マイナー通貨のライブな情報を引き出すことは難しいと思いますね。

レポートに関して、お客さまからはどのような質問や反響がありますか。

弊社はご契約いただいている金融機関さんや投資関係の企業さんに情報を配信して、そこからそれぞれのお客さまに提供されるので、質問や反響が直接私どものところに来るということはあまりありません。ただし、テクニカル分析に関してはなかなか対応できない部分がおありみたいで、時々ご質問をいただくことがあります。特に言葉に関する質問ですね。

確かにテクニカル分析特有の用語や言葉があり、難しいと感じることがあります。でも理解できると面白くなってきますね。

 

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